自己紹介でも述べた通り、私は山形県、つまり東北の出身である。大体ここまで言っただけで、人は端的なイメージを膨らませる。『とにかく寒い』『豪雪地帯』とか。
次いで『山形県』というキーワードを頼りに、『サクランボ』『米』『米沢牛』などの特産品を連想し、そして決まってこう言うのだ。
 「これからはサクランボ食べ放題だな」
 まあ、時折サクランボの部分が米沢牛などに置き換わったりもするのだが、残念ながら私と友達になったくらいでは、その願望を叶えさせてあげることはできない。
 「山形県民総出でサクランボ作ってんじゃねえよ」
 私は声を大にして言いたい。特に関東圏の人間の反応として多いのが、「とにかく山形の人は米やサクランボを作って生活している」といった、あまりにも短絡的な田舎への偏見だ。ちなみに私の両親は、2人とも看護士である。
 
 しかしそんな偏見はたいして問題ではない。それは「東京などの情報は全国に発信されるが田舎の情報は発信されない」という、中央寄りのメディアの特性によるものだからだ。関東の人にとっては山形県民の生活などただ知らないだけだし、特に考える必要のなかった問題だけに、「違うんだよ」と言えば「そうなんだ」と納得してくれる。外国の人が、「未だに日本には腰に刀をさした侍が闊歩している」と思い込んでいるのと、さほど違いはないのではないだろうか。
 
 冬になると、全国ニュースでこんな映像を目にしたことがあるだろう。『大雪にみまわれて立ち往生する車の群れ』『店の軒先に積もった膝下ほどの雪を必死に退かしている人』『吹雪のめ離着陸不能で空港で缶詰にされる旅行客』
 それはいずれも東北地方や北海道の人たちにとっては、避けることのできない冬の光景の一つにすぎない。しかし先ほども言った通り、基本的に「田舎の情報は発信されない」というセオリーに対して、北国特有のそれは、より特異なものとして、雪にあまり縁のない地方の人々に深い印象を植え付ける。
 つまりそこで、『北国=雪国』という図式がすり込まれる。そしてそこから導き出される答えはこうだ。
 「雪国の人は、皆スキーが得意」
 確かに実家から一時間も車を走らせればスキー場に辿り着いたりするが、私はスキーが得意ではありません。
 確かに小学校では体育の時間、グラウンドにあった小さな丘でスキーをしていたし、中・高では年一回『スキー教室』なるものが行われ、全校生徒でスキー場におもむきもした。だからと言って『スキーで通学』なんてこともなかったし、『スキー検定に合格しないと進級できない』わけでもなかった。
 つまり、いかに雪国に住んでいようがスキーとはあくまでも趣味のスポーツであって、興味のない人間には『スキー教室』も気だるい学校行事の一つにすぎない。
 そんな人間に対して、「何で滑れないの?」とは愚問以外のなにものでもない。私は言い返したい。
 「じゃあブラジル人は皆サッカーがうまいのか?キムチが苦手な韓国人も探せばいるんじゃないのか。寒がりなエスキモーや、常夏のハワイで夏バテに苦しむ住民だっていないとはかぎらないんじゃあ・・・・・・」
 確信だけ言えば、ただ出来ないのが悔しいだけなんですけどね。
 
 ちなみに、実家から三十分も車を走らせれば海に出ますが、私は水泳も得意ではありません。「洪水になったらどうするんだ」なんてよく言われますが、いいんです。洪水になったら、いち早く高いところに逃げますから。
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